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東京都 施工|光と風スタジオ  撮影|Nacasa & Partners Inc.

設計|森垣知晃/rivet design office

Architect's comment

癒しをもたらす、心地よく過ごせる空間。

おだやかで美しい瀬戸内の海に囲まれた綿織物の産地愛媛県今治市にある老舗企業の本社敷地内にある社員食堂の建て替え計画。メイン通りから来社する際、敷地内で一番初めに目に入る立地であることから、仕事がイメージできるシンボリックな外装にしたいと考えた。そこで「織り込んで作る」をメッシュで表現しようと思い、建材として使われているエキスパンドメタルを採用する事となった。

エキスパンドメタルは国内外から多種サンプルを取り寄せ、透過度・折り型など一番やわらかな雰囲気になるものを選定。2階部分を全て包み込み、外観のアイキャッチとなるよう考えた。

また、「あたたかさ」や「やさしさ」もイメージに採り込みたいと思い、アプローチ外壁に米杉格子を、伸びやかに1階を囲う軒天にも米杉の羽目板を用いている。

1階エントランスホールは2階会議室を利用するお客様の待合空間も兼ねていると共に、会社の創業からの歩みを伝える写真を展示できるギャラリースペースにもなっている。

1階カフェテリアは3方をガラス張りとし、建物外周に植わる木々に囲まれることで森の中で食事しているような感覚で心地よく過ごせる空間を考えた。

天気の良い日は深い軒下の屋外デッキ空間に座って自然の風を感じながらピクニック気分で食事も楽しむことができる。カフェテリアは社員が集まって研修するスペースとして、また、一般のお客様を招いて行う展示即売会の会場としても使う事を想定した多目的スペースでもある。

外に開いた1階とは対照的に2階は議論に集中できる環境づくりの為、内に開いた空間構成としている。可動間仕切りを閉じれば、中会議室と小会議室として、開ければ大会議室としてフレキシブルに使えるよう考えた。空間の中央に設けた中庭からは日の光が屋内へと広がり、そこに配植された木々が2階利用者のひとときの癒しをもたらす。

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