オーベルジュ Orbis

長野県軽井沢町 施工|有限会社野口建設

設計|小林眞人

Architect's comment

オーベルジュ 『 波太 オルビス 』

千葉県鴨川市の海岸線に沿って縦に伸びる国道247号線から、海に向かって小道を入っていくと、その正面にこの建物が見えてくる。

まさに海沿い、防波堤のすぐ内側という抜群の立地にあるのだが、小道を進んでくるときにも駐車場から建物にアクセスするときにも、波音は聞こえるものの海は見えない。

ほとんど窓の無い白い木貼り外壁の平屋の建物が横に長くよこたわり海が見えないのだ。

だが、船のタラップの様なブリッジを渡り、エントランスドアを開けて 中に入ったとたん、一気に目の前が開け、広大な海が窓のむこうに姿を現すのだ 海と空以外は何も見えないまさにプライベートな光景なのだ。

非日常的な別世界に踏み込んだ と言っても過言でない海に開けたレストランの外にはレストランと同面積の広々としたデッキスペースがあり、潮風や波音をより強く感じながら食事ができる。

レストランからさらに奥に進むと宿泊客だけがアクセスできる廊下があり、

廊下沿いに、すなわち海と平行に3つの客室が並び、どの部屋からもどの浴室からも海と空が目の前に開けその眺望を独り占めできるのである。

オーナーの要望は「地産地活の食材を生かした海辺のオーベルジュ」と「地域コミュニティーの場」をロケーションを活かしつくりたいというものであった。

どういう料理を出すのか?どういうもてなし・サービスをするのか?

地域とどういう繋がり方を予測するのか?価格はどう考えるか? 等々こういったテーマをオーナーご家族と何度も交わし、つめる事が同時に建物の方向性・内容をつめる事でもあった。

建築はそれらすべての中に抜群のロケーションから得られる『海・空・自然』を最大限活かし、取り込み、ある意味で非日常的で時間の観念すら忘れてしまう様な空間づくり・設えをする事に徹したプロジェクトであった。

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