芦屋の住宅

兵庫県芦屋市

設計|田主健二

Architect's comment

芦屋マリーナにクルーザー停泊場が併設している特別な敷地がある。

大好きな釣りをしてそのまま屋外囲炉裏で新鮮な魚をいただく。そんな贅沢がしたい。日常に海とクルーザーを組み込んだライフスタイルをイメージした住宅がクライアントの望む形だった。

また仕事柄海外に行く機会も多くデザインには是非とも『和』のニュアンスを散りばめて欲しいというオーダーのもとに、掘り炬燵の屋外囲炉裏は縁側を挟んで和室へとつながる構成とした。エントランスホールとも大きな開口で繋げることで人の集まる場所の中心と捉えた。

2階はプライベート空間となっているが、やはり『和』を意識した築山のある坪庭や茶筅のペンダントなど象徴的なデザインを採用させて頂いた。東南側の海に向かった大きな開口からは大阪湾が見渡せ、海と空と太陽と星と共にゆっくりとした時間の経過を感じられる空間とした。

リスク管理として、埋立地という性質の敷地だった為、地震や液状化に対応させた基礎置換工法を採用。インフラ遮断に対してはソーラー発電や大型蓄電池の設置で災害時にも電力使用を可能にしている。

自然と共に暮らし四季を感じる『和』の思想を大切な日常と捉えつつ、自然災害の多い日本での暮らしを安心して快適に過ごして頂ければ、設計者としてこれほどの喜びはない。

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